avanti-poco

ぜろからのパン作りÜ *

バターのしごと

バターが溶け出すと生地の仕上がりがまるで変ってしまった。

溶けてしまったら固めても元に戻らないの?

今回はバターの特性を知って、生地作りにいかしていこう(ง •̀_•́)ง

 

ブリオッシュの生地でも溶かさないがポイント

材料の特性を一つずつ抑えると、

時間が経ってからの味が違うんだろうなぁ ◍⁠•⁠ᴗ⁠•⁠◍⁠

 

バターをたっぷり使う生地は温度に気をつかう

手でこねると体温で温度が上がるし、

しっかり膨らんで欲しくて発酵温度上げると

バターが溶け出してしまう。⁠:゚⁠(⁠;⁠´⁠∩⁠`⁠;⁠)゚⁠:⁠。

**✬バターの性質について知りたい

 

。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。・゚・。。・゚・。

 

とけ出す温度?

〈溶け始め〉

溶け始めは28℃~30℃

バターの性質は温度によって変わるので

目的に合うよう、温度管理したいところ。

 

〈溶けた後の性質?〉

溶けたバターは不均一になるので

また固めても、元の性質には戻らない。

バターを溶かしてしまうと、

口当たりなど仕上がりがかわってしまう ಥ⁠‿⁠ಥ

 

バター(マーガリン)の種類?

<無塩バター>

生乳から脂肪を集めて固めたもの

無塩バターも生乳に塩分が含まれるので

食塩不使用って書いてある

 

発酵バター

クリームを乳酸菌で発酵させたもの

 

<有塩バター>

いつものバターはこれ

1.5%くらいの食塩が入ってる

風味が良くなり、保存しやすくなる

無塩バターより長持ちする

 

ファットスプレッド

油脂含有率が80%未満のもの

水分が多く含まれ、果実やチョコレートなどで

味がついているものもある

*ホイップ状にしたもの、レーズンなどを加えたものは

食品分類上はバターではなく、乳または乳製品を主要原料とする食品。

 

<マーガリン>

植物性油脂を固めたもの

油脂含有率が80%以上のもの

 

温度とバターの性質

 

温度が上がると柔らかくなって形を変えやすくなる

このことを、バターの可塑性といって、

これをうまく利用することで

目的に合った仕上がりになる

 

バターは温度によってどうかわっちゃうのかな?

 

<冷凍>

自然解凍なら性質には影響なし

冷蔵庫より長持ち

乾燥は苦手なので密閉して保存

 

<0~5℃>

冷蔵庫くらいの温度

冷やし固めたバター

かたくて扱いにくい

 

<13〜18℃>

形を変えやすく、薄く伸びる→可塑性

パイ生地に使う状態(サブラージュ法)

 

<15℃前後~20℃前後>

室温バター、クリーム状

冷蔵庫から出してしばらくおいた状態

指で押し凹むくらいから撹拌して空気を混ぜ込むとクリーム状になる

→クリーミング性

クッキー(クレメ法)、ケーキに使う状態

混ぜ込んた空気は加熱で膨らむ=ふわふわ

 

<30℃前後>

溶かしバター

28℃くらいから溶け始める

 

<澄ましバター>

湯せんで溶かすと

上から白い泡の層、黄色い脂肪の層、白いタンパク質の層に別れる

成分が分離しちゃうので、冷やして固めてもとの性質には戻らない!

 

真ん中の層をすくったものを澄ましバターといって、

焦げにくい、焼色がつきにくく、常温でも固まらない

 

<40℃以上>

焦がしバター

苦味と香ばしい風味がつく

 

バターのしごと☆まとめ<

 

温度別にバターの状態をみると

バターのしごとがみえてくる

 

空気をたくさんふくむことができるクリーミング性を活かせば

高温で空気が膨らみ、ふっくらした仕上がりに

 

可塑性を活かしてショートニング性を使えば

サクサクの食感をめざせる

 

クレメ法で作るクッキーはクリーミング性を利用した方法

サブラージュ法で作るクッキーやパイ生地は

ショートニング性を利用した方法

グルテンの膜ができるのをバターの膜が邪魔するのでサクサクになる

 

これらの特徴は温度が肝心

バターには、油、水、タンパク質がうまく混ざり合っていて

温度をあげて溶かすと、分離してしまう。

そのまま冷やして固めても、もとの均一の状態には戻らず、

水や油の比率もかわってしまう。

一度溶けたバターは特性を発揮できず、

仕上がりの食感がかわってしまう。

 

ラードは室温25℃くらいまで溶け出すことがないので、

バターほど温度に神経をつかわなくっても大丈夫 (◍•ᴗ•◍)

 

生地づくりのポイント

日本人の平均体温は36.89℃

手のひらの温度はこれより少し低いくらい

生地と手が長い時間接すると、当然バターは簡単に溶けてしまう

柔らかい生地の扱いが未熟でべたべたと触ってしまう。

触る時間を少しでも短くできれば

温度変化への影響も少なくなるはず

オートリーズを利用すればうまくいくかも! (‘v‘)ق“

 

。・゜・。。・゜・。。・゜・。。・゜・。・゜・。

**✬参考**

一般社団法人日本酪農会議https://www.dairy.co.jp/milk_i/butter/b44/index.html

明治HP バターを美味しく食べようhttps://sucre-epice.com/post-1093/

日本マーガリン工業会https://www.meiji.co.jp/meiji-shokuiku/know/lovable-milk/butter/eat/

https://j-margarine.com/kiso/faq/

テルモHPhttps://www.terumo-taion.jp/activity/knowledge/article01.html

 

。・゜・。。・゜・。。・゜・。。・゜・。・゜・。